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多彩なショー 止まらぬ進化

 2か月分の公演チケットは即日完売。絶大な人気を誇る、堂本光一主演、ジャニー喜多川演出のミュージカルだ。2000年の初演当時は派手なショーという印象を強く持ったが、2年前の大幅な作り直しを経て、さらなる進化を遂げた。

 登場するのは、コウイチ(堂本)率いるエンターテイナー一座。米ブロードウェーへの進出を巡って人間関係が揺れる。ナンバー2の地位に不満なトウマ(生田斗真)、父の建てた劇場から離れたくないアキヤマ(秋山純)――。常に走り続けようとするコウイチとメンバーたちとの間に、摩擦が生じていた。

 進化が感じられたのは作品の構成だ。劇中劇として演じられるショーに、登場人物それぞれの感情が鮮やかに重なる。例えばコウイチとトウマの対立が頂点に達した時、殺陣の場面が登場する。二人は相手を傷つけかねない勢いで刀を振り下ろし、最後にコウイチは22段もの階段を転落する。

 ショーのレベルも向上した。名手・石川直と一歩も引かないドラム対決、あらゆる種類のタップダンス、シェークスピア劇の名場面集と、休まずに見せる。名物のフライングも高度化し、終盤の堂本は4本のはしごに次々と飛び移った後、2階席に華麗な着地を決めた。これだけ多くの危険度の高いパフォーマンスを、「すごい」とうならせるレベルで表現するのには、相当の練習を積んだはず。その上、81回も続く公演で集中力を維持する精神力は並大抵ではない。

 「ショー・マスト・ゴー・オン!(ショーは止められない)」というコウイチの口癖は、厳しい舞台を続ける自分自身と役者たちを鼓舞しているものに違いない。(祐成秀樹)

 ――2月28日まで、日比谷・帝国劇場。

2007年1月31日  読売新聞)
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