直前に入り、ほぼそのままの足でステージへ向かった第2のシークレット・ヴォーカリスト、それはENDLICHERI☆ENDLICHERIだった。どうしてそんなことになったのかの説明は、まずは彼自身のMCにお願いしよう。
「今、ずっとファンクなライヴをやっていて、今日もライヴを終えて、それからここに駆け付けることになりました。最初にお誘いを受けたときはスケジュールが(厳しくて)という対応を事務所がしようとしたので、『ちょっと待て』と。『無理すりゃ間に合うだろう』と話して、実現することができました。今回、何故お誘いを受けたんだろう、何故自分は東京環境会議に出るんだろう、と考えたことがあったんですが、そこで出た答えはシンプルで、『自分と小林さんの宇宙がぶつかり合うことを面白がる自分がいて、そこに縁を感じる自分がいた』ということなんです。今日のことは、今でも愛による縁が繋げてくれたと思ってます」
 そうなのだ、タイムスケジュールの遅れを覚悟の上で東京環境会議はENDLICHERI☆ENDLICHERIを招き入れ、そして実際に「予定通り」彼は遅れて入り、このステージとなったのだった。
 このセッションのみ、Bank Band Trinityのメンバーは小林を除いて一度引き下がり、ステージの上は背面いっぱいに映し出されたヴィジュアルと小林とENDLICHERI☆ENDLICHERIだけになった。よって音楽も10本の指によるピアノとひとつの喉から振り絞られる声のみのライヴとなり、その緊張感と生々しさ故に、フロアからは唾を飲み込むことすらためらう空気が7分弱もの間、ずっと流れていた。そして歌を引き立たせる小林のピアノという雲の上で、一度も目を開かずに春の歌を心の声を紡ぎ出す様に歌うENDLICHERI☆ENDLICHERIがいた。空気は止まっていたが、景色は心の中でずっと動いているような、大きな生命体の一生を観ているかのようなライヴだった。

「とにかく楽しかったです。自分にとってはまったく未知の世界だったから。小林さんのやられている聖地に入って、自分の魂を放つのみなんだけれども……一体僕はどういう使命があってやるのかとか、いろいろ考えたんですよ。でも、シンプルに、ここで出会った縁とのぶつかり合いを楽しもうと、それだけで行こうかなぁということで、やりました。だからリハーサルもほとんどやらなかったんですよ。今朝も1回だけリハーサルをやって、小林さんに『もう大丈夫だね?』って言われて、僕も『大丈夫です』と言って自分のライヴに向かって。それでギリギリ入って歌ったんですが……いろんな意味でドキドキしたけど、そのドキドキが音楽の中にあるっていうことは贅沢なことだし、とても必要なことだよなぁと思いながらステージに立ちました」
◆自分の声とピアノの音だけでやるということは、凄く緊張感がありますよね。
「なんか生きている感じがするっていうか。自分は生きているし、語りかけられているような気もするし。自分の宇宙がどんどん広がって行って、小林さんの宇宙と一体になれたような、そしてオーディエンスのみなさんの宇宙と一体になれたような気がして、凄く贅沢な何分間かを過ごさせてもらったなぁと、そんなふうに思いました」
◆環境って、自分にとって何ですか?
「僕の歌には水をテーマにしたものが多くあるんですが、人間はほとんど水でできているのに、乾いた心で人を愛するのはどうなんだろう?と。もっと潤った気持ちで人を愛したり、愛されたりするということを重要視したいなぁという気持ちはあります。捨てる/捨てないとか、使う/使わないとか、細かいことはやったりもしますけど……とにかく僕ができる範囲のことはやろうと思って生きてます。歌を歌うっていうことは電気を使ったりしなければならなくて、矛盾はあるんですが、でも先駆者というか、誰かが何かをやらなければいけないという使命がもしあるとするならば、僕は今そこにあてがっていただいているんだろうなぁという気がします。だから、今言ったような思いだったりエネルギーを持って音符に変えて放つということが、誰かのきっかけになって、1mmでも世界が動いて行くようになればいいなぁとただただ思っています。僕はきっかけでしかないから……」
◆でも、何かを放つことは重要だよね。
「うん、重要だと思います。ここはそういうことを率先してやっている場だと思うし。そこに声をかけていただいたので、足を運んでみました」

ENDLICHERI☆ENDLICHERI
1 ソメイヨシノ 


節錄自「AP BANG! 東京環境会議」LIVE TIME REPORT 3/18

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