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今の視聴者がCMに求めているものは「刺激」? 

 視聴者はCMに何を求めているのだろうか。画面から目が離せなくなるような「楽しさ」や、商品の魅力を適確に表現した「情報の確かさ」であることはもちろんだが、1本の“映像作品”として捉えたときに、記憶に残る“何か”が含まれていることも近年の大きな要素だといえるだろう。

 そのキーワードのひとつは「癒し」。子どもが伸び伸びと躍動するカネボウ「ナイーヴ」や猫や犬の親子のほのぼのとした佇まいが印象的なシャープ「エコロジーライフ」キャンペーン、お茶を愛する夫婦の姿とそれを包む久石譲の音楽が優しく響いてくるサントリー「伊右衛門」などはその典型ともいえ、長く愛され続けているシリーズだ。

 一方、このところ増え続けているのが「豪華さ」をテーマにしたCM。1人のタレントに絞り込まず、複数のトップスターを起用して才や美を競わせる。そのインパクトが商品のアピールにつながっていくというものだが、仲間由紀恵や柴咲コウらの共演で話題となった2004年の「ポッキー」CMによって勢いを得たこのスタイルは、その後、資生堂の「マキアージュ」「uno」「TSUBAKI」、さらには明治製菓「XYLISH」、au by KDDIなどへと広がり、映像を華麗に見せている。

 そして、その最新バージョンとして登場したのが、NTTドコモが打ち出した新カテゴリー“2.0”をアピールするキャンペーンCMだ。6月度CM好感度ランキング(F1F2総合)で1位になった本CMは、妻夫木聡や長瀬智也、蒼井優など、旬の俳優陣がフラッシュバックで登場してくる構成は、見る側に大きな期待感を植えつける。

 だが、このCMの“キモ”はそこにとどまらない。「ティザー」篇の冒頭に打ち出された“さて、そろそろ反撃してもいいですか”というコピーが極めて扇情的でありドラマティックなのだ。「楽しさ」や「豪華さ」「癒し」とは明らかに異なる「刺激」というキーワードがここには含まれている。モニターのほとんどがこのコピーに反応したという結果からも、視聴者がCMにある種の「刺激」を求めていることは疑いようのないところといえる。

■6月度テレビCM好感度ランキング(F1F2総合)






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やっぱりすごい!?ガッキー新CMがトップ返り咲き

 大阪に舞台を移した、新垣結衣出演の「ポッキー」が6月度CM好感度ランキング(中高生総合)を再浮上、トップの座を奪い返した。躍動感とポップ感に溢れたダンス、カラフルな配色、たくさんの人々が登場するお祭り的雰囲気、そんな無類の“楽しさ”が見る者の心を昂ぶらせるのだろうか。

 商品説明はなくとも、思わずポッキーが食べたくなる“引力”を持ったシリーズだ。「曲とダンスがとても印象的。はっちゃけちゃってるって感じ」(神奈川県/15歳/女性)「ガッキーが元気で見てて笑顔になる。曲と演出のバランスが絶妙」(神奈川県/18歳/女性)。理屈なしに楽しく、笑顔を生み出すCM。続編を楽しみにしたい。

 妻夫木聡のもとに、デフォルメされた歴史上の偉人が訪れる「東京ガス」のCMに新しいバージョンが加わった。
 小野妹子が女性だったり、織田信長が料理番組を行ったりと、これまでにも大きく歴史から逸脱(?)した脚色を行ってきた同シリーズだが、今回は大和田伸也がマルコ・ポーロを演じるという“国籍を飛び越えた”デフォルメが炸裂。最新版では、そのマルコ・ポーロがなぜかクイズ・ショーの司会をしているというオマケまでついており、視聴者の笑いを誘っている。

 こういう演出を行うと学生が誤解するのでは、と眉をひそめる向きもあるかもしれないが、視聴者にはシャレであることが伝わっているし、このCMを通じて、その人物に興味を抱いてもらえる可能性も低くはない。だからこそ、世代を超えて人気を博し続けているのだろう。「意外性にいつも驚きます。面白いです」(埼玉県/17歳/女性)「毎回笑わせてくれる」(神奈川県・18歳・男性)。

 昨年、BONNIE PINKをブレイクへと導いた資生堂「ANESSA」の07年版が登場。合成処理によって5人の蛯原友里が登場する映像は圧巻だ。「エビちゃん大量発生しすぎ」(埼玉県・18歳・女性)。

■6月度テレビCM好感度ランキング(中高生総合)





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